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コラム
日本唯一の公立校が目指す教育、
そしてこれからの介護に向けた
活動とは
1988年、福祉系では全国唯一の公立校として開校した北海道介護福祉学校。公立校だからこそできる教育や地域との連携など、常に未来の介護を見据えた取り組みを実践し続ける同校について、悪七尚広(あくしちたかひろ)校長にお話を伺いました。
未来の介護を担う人材育成のため、視野を広げる教育を提供する。
それが開校以来変わらない姿勢。
介護福祉の学校である以上、介護福祉士の資格を取るべく勉強するのは当然なのですが、創設当初から本校の目的はその先にありました。
将来を見据え、介護職の中核を担うリーダーを育てたい。そのための独自カリキュラムの1つが「地域活動研究」です。 地域全体を学びの場ととらえ、訪問診療のドクターに同行させていただいたり、ユニバーサルデザインのプロセスを学ぶため、3Dプリンタでオリジナルの福祉器具を開発したりすることを通じ、地域に暮らす人々の生活に触れ、抱えている課題を知り、その解決法について考え、“住み慣れた場所で最後まで生ききるとはどういうことなのか”を間近に感じることで、次世代の介護専門職に求められる資質を身につけて欲しいと考えています。
また、フィンランドへの留学や4年制大学への編入などさまざまな制度を用意し、“介護職として将来どういうキャリアを目指すのか”を幅広く考えられるよう環境を整えています。
介護を身近なこととして捉えてもらいたい。
地域との交流を通し、将来の介護職候補を育てる役割も担っている。
介護というカテゴリにとらわれない地域交流ももちろん盛んで、栗山町のお祭りなどさまざまな行事に参加させていただいており、本校の学生は町の大事な“若いチカラ”として大いに期待されています(笑)。こうした経験も将来介護のしごとに就く上で貴重な財産となるはずですし、普段からさまざまな面で協力していただいている町の方への恩返しにもなっていると思っています。また、地元の小中学校を訪問する交流授業や、高校生を本校に招いての体験授業なども積極的に行っています。こうした活動を通じ、学校間の関係性を深めるのと同時に、核家族化などで高齢者と触れ合う機会が少ない現代の子ども達に介護との接点を作ることでより身近なこととして捉えてもらえればと考えています。また、「介護福祉士」という職業が、例えば看護師や保育士同様将来の職業としてごく自然に選ばれる社会になればという願いもあります。
これからの介護福祉に不可欠な、地域・まちづくりと連携した
取り組みに、より一層力を入れていきたい。
これからの介護福祉を考えるとき、地域やまちづくりとの連携はますます欠かせないという思いから、本校では2022年、「介護人材確保に関する自治体包括連携」を提唱しました。これは、協定を締結した自治体から迎えた学生が本校で2年間学んだ後、地元に介護福祉士としてUターンするサイクルの確立・定着を目指すもので、現在道内7自治体と協定を締結しており、今後さらに広げていければと考えています。35年に渡り培ってきた本校の教育実績や経験を他自治体の皆さんと分かち合うことが、北海道介護業界の活性化につながればこんなに嬉しいことはありません。おかげさまで多くの卒業生が道内全域の介護職の現場で活躍してくれています。その人達の力も借りながら、栗山町が北海道の介護情報集約・発信地として重要な役割を担えるよう、これからもさまざまな取り組みに挑戦し続けていきたいと思っています。
北海道介護福祉学校
〒069-1508
北海道夕張郡栗山町字湯地60番地
(事務局窓口)
Tel:0123-72-6060
Fax:0123-72-6140