- TOP
- コラム
コラム
職員が長く働ける介護施設へ
八雲の施設が進める働きやすい職場づくり
2026年3月取材
高齢化が進む日本では、介護サービスの需要が高まる一方で、介護人材の確保や職員の身体的負担が大きな課題となっています。特に移乗介助など身体への負担が大きい業務は、腰痛などの原因になることもあり、介護職員が長く働き続けるうえでの課題として指摘されています。
こうした課題に対し、職員が安心して働き続けられる環境づくりに取り組んでいるのが、社会福祉法人渓仁会が運営する介護老人保健施設コミュニティホーム八雲です。同施設の取り組みは高く評価され、令和7年度「介護職員の働きやすい職場環境づくり厚生労働大臣表彰」において奨励賞を受賞しました。
取り組みのきっかけの一つとなったのが、副施設長の安田様の経験でした。自身がぎっくり腰を経験したことで、介護現場で働く職員の身体的負担や労災対応の大変さを実感し、「職員が長く働き続けられる環境を整えることが大切」と考えるようになったといいます。そこで施設では、利用者を人の力だけで抱え上げないノーリフティングケアの導入を進めました。福祉用具や機器を活用することで職員の身体的負担を軽減し、安全で持続可能な介護の実現を目指しています。
また、ICT機器の活用にも積極的に取り組んでいます。コミュニティホーム八雲では、北海道内では初めて、排泄記録ICTを37台という大規模な数で導入しました。当初は一部の機器のみの運用でしたが、フロア全体で活用することで効果が高まることが分かり、「点」ではなく「面」でのICT導入へと方針を転換しました。
排泄記録ICTは、トイレに設置された機器が顔認識により利用者を特定し、排泄量や状態を自動で記録する仕組みです。これまで職員が目視や聞き取りを行いながら手書きや手入力で記録していた作業が自動化されることで、記録業務の効率化や職員の負担軽減につながっています。
また、利用者にとっても排泄の状況を職員に確認されたり見られたりする機会が減ることで、プライバシーへの配慮にもつながる取り組みとなっています。
こうした取り組みについて、安田副施設長は次のように話します。
「職員が安心して働ける環境づくりが、結果として利用者へのより良いケアにつながる」。
職員の働きやすさを大切にすることは、結果として介護サービスの質の向上にもつながります。コミュニティホーム八雲の取り組みは、これからの介護現場における職場づくりのヒントを示しているといえるでしょう。
