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コラム
介護職員の負担を減らすノーリフトケア®
2026年3月取材
介護の現場では今、「ノーリフトケア®」と呼ばれる取り組みが注目されています。これは、利用者を「持ち上げない・抱えない・引きずらない」ケアを行うことで、介護者の腰痛予防だけでなく、ケアを受ける側の褥瘡や拘縮も抑制することにつながるケア方法です。
介護の仕事では、ベッドから車いすへの移乗や体位変換など、身体的な負担の大きい介助が日常的に行われています。そのため、腰痛は介護職員の多くが抱える課題の一つとされ、離職の原因の一つになることも指摘されています。こうした状況を改善するため、「持ち上げない介護」という考え方が広がり、ノーリフトケア®の導入が進められるようになってきました。
福祉用具を適切に活用することで、職員の身体的負担を軽減できるだけでなく、利用者にとっても安心感のある介助につながります。人の力だけで抱え上げる介助と比べ、より安定した姿勢で移動や体位変換を行うことができるため、安全性の向上も期待されています。
こうした取り組みは、機器を導入するだけで実現できるものではありません。職員が福祉用具の使い方を理解し、施設全体でケア方法を見直していくことが重要です。そのためには、研修や職員同士の情報共有など、継続的な取り組みが欠かせません。
北海道でもノーリフトケア®に取り組む施設が増えています。今回取材した社会福祉法人北ひろしま福祉会でも、職員の身体的負担の軽減と利用者の安全なケアの実現を目的に、この取り組みを進めています。
ノーリフトケア®の導入にも関わる五十嵐さん・山田さんは、次のように話します。
「以前は職員の力だけで移乗介助を行う場面も多く、腰への負担が課題になっていました。環境を整備し、福祉用具を活用することで、職員の身体的負担を減らすだけでなく、利用者にも安心して介助を受けてもらえるようになりました。何より職員の心身にゆとりが生まれ、利用者との関わりを増やすことが出来た点も大きな変化だと思います。拘縮にも効果がみられ、おむつ交換や着替えを行う時にも以前より楽に行えるようになりました。私たちだけでなく、利用者にもいい影響がみられている点が嬉しいです。ノーリフトケア®の取り組みが広がるよう、北ひろしま福祉会 機能訓練センターでは日本ノーリフト協会北海道支部の事務局を担っており、毎年9月頃に福祉用具のお祭り【福祉用具横丁】を開催し仲間作りにも力を入れています。是非、この取り組みを見に来て頂きたいです。」
導入当初は、機器の使い方に戸惑う職員もいましたが、研修や実践を重ねることで徐々に現場に定着していきました。
「ノーリフトケア®は、職員だけでなく利用者にとっても安全なケアにつながる取り組みです。これからも現場で工夫しながら、より安心できる介護を目指していきたいと思います」
介護の仕事を長く続けていくためには、職員が安心して働ける環境づくりが欠かせません。ノーリフトケア®は、職員と利用者の双方にとってやさしい介護の形として、今後ますます広がっていくことが期待されています。
